『これだったらいけるかも…。』
今、わたしの片乳には小さな紙コップを横半分に切った、
手製の乳首カバーが不織布テープによって止められている。
昨年11月のあたまから始まった部分的なアトピーの再来と謎の湿疹で約5ヶ月、
痒みとただれに今も悩まされている。
実は去年も同じ時期から春先まで謎の湿疹と仲良くしてたけど、
今年は15年ぶりに両胸に痒みが出てしまってどうしようもなくしんどい時がある。
深い傷ならばかさぶたがさっさと覆い皮膚の再生を待てばいいものの、
皮膚が弱くなってしまった状態での傷はリンパ液で薄く皮膚を覆うことしかできず、
摩擦や水気で簡単に剥がれ落ちてしまうほどもろいため皮膚の再生が追いつかない。
リンパ液が出て傷口がじゅくじゅくしている状態だと服もろくに着られないので、
一時はガーゼ付の大きな絆創膏のようなもので胸を覆ってみたりしたけど、
この手の傷だと絆創膏をはがすと皮膚も一緒に剥がして悪化させてしまうため止めた。
そこで応急的ではあるものの辿り着いたのが手製のカバー。
傷口にあたらないように、
最初はマスキングテープの芯を乳首に当てて留めていたけど、
傷口の近くの皮膚も薄くなってしまって悪化してきたので断念。
次の小さなプラスチックの容器は密閉性が強すぎて皮膚が浸潤してしまいダメ、
小さなパフェのアイスカップも絶妙に高さが足りずにダメ、
あれこれと試しながら今日思いついたのが横に切った小さな紙コップだった。
ちなみに15年前はとてつもない痒さに負けてよくわからないまま掻きむしってしまい、
ブラと傷口がひっついて痛みと痒みと傷口の膿んだ匂いで悶絶しながら仕事をしてた。
(その時はブラごとお風呂場で濡らしてふやかしながら取ってたよ)
病院に行ってとりあえずは薬で少しずつ治っていったけど、
男の先生にぐちゃぐちゃになった胸を見せるのはかなり恥ずかしかったな。
今回は意識して掻かないようにしてるから昔ほどの重症ではないものの、
傷がリンパ液で覆っては剥がれ覆っては剥がれを繰り返すから治りはすこぶる遅く、
肌着がほとんど着られずに好きな洋服も着られない状態だ。
去年の秋口に買っていた前開きのパジャマで冬からのほとんどの日を過ごしている。
ひきこもり生活だからこそ成し得るワザと体験。
さすがに15年経った今は、
恥ずかしさもだいぶ薄れてるから(笑)さっさと病院に行けばいい話なんだけど、
自分の身体を信じてみたくて敢えて行ってないからしんどいのもある意味しょうがない。
しかも何だか知らないけど、
『あーじゃないか?こーじゃないか?これはどうだ!?』って、
試行錯誤して身体と会話してる自分がすごく面白い体験してるなとも思っちゃうわけ。
もちろん痒いし不便だしイライラもするし、全体的にみればしんどいんだよ。
でも、これも体験の1つなんだなーって俯瞰しちゃうと何だか一気に冷静になるの。
人生もまァ似たようなもんだしなーって。笑
だから愚痴は言っても本気では絶望せずに、今を面白がりながら春をまってるところ。
もちろん治ってほしい。それは素直な望み。
でも、治ろうが治るまいが満開の春はわたしに来る!って勝手に期待をして楽しんでる。
心身がいつだって絶好調。
確かに1番嬉しいことだとは思うけど、こんなうまくいかない体験も生きてるからこそ。
苦しい時こそ、絶望しそうな時こそ、
自分だけの物語を信じて、今の自分を面白がって体験して、自分だけの春を、まとう。
どんなことの全ても、どうせは豊かさにしか繋がらないから安心して体験しとこう。