ずっと愛の状態で在れたらどれだけいいか。
などと願うときは、
大抵、その逆を堪能しているときだ。
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役になりきり、
「とことん壊れてしまえばいっそ楽なのかもしれない。」
等と息んだ台詞を吐くのも、
自分を掴んだこの手を緩めることはもう2度とないと知っているからで、
卑怯だ愛だと文句を垂れる自分に向けられる眼差しはいつだって変わらない。
こんなにも絶望と愛を行き来するなんて想像していた?
想像していたから創造していて、これから、もっと面白くなるよ?笑
結末を知らないのに、結末を知っている。
それがもう途方もなく完璧で愛で全てであることをどこかで知っているのに、
どうしたって場転ごとに感情移入をしすぎるものだから名役者も甚だしい限りだ。
どれだけズレても、
どれだけぐしゃぐしゃになっても、
結局は全てに問題がないとわかっている中で一生懸命にあがく役は骨が折れる。
もどかしさも一興、
絶望も一興、
鼻で笑えなくても自分を灯し続ける覚悟はあるか。
頭はどこからともなく記憶を引っ張ってきてはまだ見ぬ物語をより壮大に盛り立てる。
ただ、生きればいいのに。
全てを噛みしめて全力投球で芝居に打ち込ませる台本は、最期までこの通りだろう。
自分という役をひっさげて、
幕が引かれるまでそのままで。
愛を知れば知るほど、こんなにやりづらい舞台はない。
ため息をつく役者と、ニヤニヤ顔の監督。
常に相反するものを抱えて進む主人公に命を重ねる観客たち。
どこまでいっても、この物語は終わらないことを全ては知っている。