声を掛けたい衝動をグッとこらえながら猫へスマホを向け動画を撮る。
つい5日前に動物病院へ行って「1ヵ月と24日ぐらい発作が出てないです!」と先生へホクホクで報告をし、『去年の秋から中断していたエステ(脱毛)へもそろそろ行けそうかな?』なんて思ってた矢先、猫のてんかん発作が再び起こった。
てんかん発作中に「〇〇ちゃん!大丈夫!?」などと声かけをしたり触れたりすると刺激で余計に発作が長引くことがあるので静かに見守るのみ。
無意識とはいえ、ベッドの上でワオワオと大声で鳴きながら起き上がろうとしてはよろけて転ぶ愛猫。
何もしてあげられない。
唯一できることは、黙ったまま発作の様子を動画に収めることだけ。
(発作開始時、猫が高い場所にいるときはバスタオルなどで優しく包んで周りに物がない場所へ移動させましょう。顔付近は噛まれる可能性があるので触らないよう注意。)
『発作開始から何秒経った?何秒経った?』
動画を撮りながら時間とも睨めっこ。
「発作が30秒続いたら座薬を入れてください」と緊急用で渡された座薬。使うか否か。状況に応じて決めなきゃいけない。
動画を撮り始めてからちょうど30秒後ぐらいに発作が落ち着いてきた。
でもスマホのカメラを起動させるのにも5秒ぐらいはかかっているはず。
『どうする?どうする?座薬入れる?』
判断に迷ったけど今回は入れなかった。
一旦は落ち着いたけど、立て続けに発作が起きないか観察を続ける。
発作時間が長いのも危ないけど、重積発作といって意識が戻らないまま発作が立て続けに起きるのも危ない。脳へのダメージが深刻で命にかかわったり後遺症が残ったりする。
幸い、発作は1回のみ。
2~3分後には自力で動いてトイレへ行けたがそれも発作の副作用みたいなもの。発作中に失禁しても全然おかしくないけど今のところまだない。
発作は体力をとても消耗する。
トイレの内部には入れず、部屋の隅に敷いた新聞紙の上で便を、さらにデスク下に敷いてあったペットシーツ&新聞紙の上に放尿した。
便は片付けるだけでよかったけど、尿はペットシーツや新聞紙から絶妙にはみ出してしまいギリギリアウトで絨毯にたくさん染み込んだ。
すぐにでも掃除を開始したいけど猫の様子も気になる…。
チラチラ横目で猫を確認をしながら使い捨て手袋をはめ、ティッシュに尿を吸収させペットクリーナーを何度もふりかけ、一旦できる範囲で頑張ったけど尿臭はとれず。
猫がだいぶ落ち着いてから今一度掃除方法を調べて、アンモニア(アルカリ性)に効くクエン酸をぬるま湯で溶いて尿臭を消そうと奮闘したけど、時すでに遅しであまり効果はなかった。
部屋全体に満遍なく敷かれた絨毯のため、嘔吐などのときも掃除が大変だったので以前から手芸用のはさみを使い手作業で少しずつ切り取ってきたけど机の下はまだ絨毯のまま。尿臭も消えそうにないので頑張ってまた切り取り作業しなきゃかな…。
予想しない、できないことがアレやコレやとたくさん起こる。
そして起こるたびに見える部分も見えない部分も少しずつ学んでいく。
「たくさんのことを教えてくれてありがとうね」
猫へ毎日伝える。
無力感や緊張感、先のことをふと考えてしまって何ともいえない気持ちになることも多いけど、それも含め色々なことを全部感じ切りながら進みたい。
全てを感じられる幸せと豊かさを噛みしめながら。
