10月9日
日の出前。
写真だと黒っぽくしか見えないけれど、
まるで夕陽のような茜色と紺色が混じって紫色に見え、うっとりした。
その日の夕方、フと『もったいない』と思い、散歩へ行くことにした。
足長なのは陰が長くなる夕方だからである。
稲穂の上に咲くシルエット。
広い空を感じられるたびに、田舎でよかったと思う。
稲刈りが終わったあとの田んぼの横を沿うように歩くと、
土くささと干された稲ののどかな香りがたまらない。
小さな水路を流れる水の音と鳴き出した秋の虫たちの音色がなんとも豊かだった。
ほとんど街灯もない田舎道。月の明るさがよくわかる。
念の為に持ってきていた反射テープ付のたすきをポケットからぶら下げて帰った。
車がライトを付けはじめたぐらいの頃のため、たぶん意味はなかっただろう。
散歩は1時間半ほど。
立ち寄った店で買い物をしたり、本屋をのぞいたりできた。
欲しかったものが買え、田舎特有の穏やかな時間を堪能できて最高だった。
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10月10日
14時頃、風もほとんどないので庭の片付けがてら火遊びを嗜むことにした。
ほぼ1年ぶりの作業。動きながら必要なものを思い出していく。
ありがたいことに燃やしたいものがほとんど乾燥しているので、
1発で火がつきその後も消えることはなかった。
火を扱っている最中に花を見ると、その場の静と動を感じる。
『火でもぼ~っと眺めてみるかァ♪』と思って作業をし始めるのだが、
いざ火がつきはじめると眺めているどころではない。
薪をくべなければ火は消える。庭を片付けつつ薪を調達するだけで忙しいのだ。
そんな合間だからこそ、植物たちの姿は日頃に増して静かで優しい。
この樹のボンタンが最高なんだ。
酸味と甘さのバランスがピカイチで、今まで食べたどのボンタンよりも美味い!
寒くなった頃、収穫したボンタンをおやつにしながら火遊びをすることもあるよ。
父とわたしが振り下ろしたナタの跡。
この木も立派な道具。だんだん強度が弱くなってきたが大事に使っている。
17時
そろそろ陽も落ち、疲れてきたので終了しようと思うがなかなか火が消えない。
それもそのはず、
まだ遊び足りないわたしが小さな薪を丁寧にくべ続けているからだ。
炎は見えずとも、
炉全体が熱くなっているので小さな枝などを入れるとボッと火がつき燃え出す。
それが面白くて止められず、結局30分ほど延長で遊んでから消火したのだった。
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久しぶりの散歩に久しぶりの火遊び。
おかげで現在は足や腰が地味に痛いが、やりたいことをやれて良かった。
ここ1年ぐらいの心身の状態を観察しているので、
『決して無理はすまい!』
と思いはするも、やっぱり思いつきのまま動くわたしがわたしらしい。
明日、ほんの少しだけキレイになった庭を見ながらコーヒーを飲む予定だ。